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2012年10月 6日 (土曜日)

「ピーター・グライムズ」後遺症

 7時ごろ起床。
 
 あまりに素晴らしいものに触れると、しばらくはその引力圏から脱出出来なくなることがある。
 「ピーター・グライムズ」もまさにそれで、見た直後よりも、一夜明けてからの方が、感動がずしんと来て、参ってしまった。
 いろいろ調べて判ったことも多く、それが感動に拍車をかけた側面もある。
 もちろん、昨夜の新国の公演がとても素晴らしかったのだが。
 9日にはMETでの公演の放送(これが素晴らしかったらしい)があるし、調べている過程で、ブリテン自身の指揮・ピアース主演のBBC製作のスタジオ収録のDVDを見つけて、早速注文したり。
 このオペラは、考えれば考えるほどに、深くて複雑。単純な悪ではなく、空気のような憎悪を描くが、しかしその憎悪が的外れなのかと言えば、そんなことはない。ただ、もっとよりよい道があったはずなのに、という事を考えていると、哀しみが満ちてくる。
 この複雑な感動は、これまでのオペラにはなかったものだ。いや、ヴェルディの「オテロ」にはあったし、ベルクの「ヴォツェック」や「ルル」にもあった。
 
 それと……。おれの大学以来の友人から、脳の病変が見つかったという知らせを受けて、日曜に会うことにして、友人たちに連絡を取ったりもした。その友人は、足の激痛がまったく治らずシドニーから帰国して治療を試みたが、日本でも病名すら判らない状態が続いていたのだ。
 事態はかなり深刻だろう。
 
 そんなこんなで、仕事が手につかない心理状態に陥った。まあ、友人のことは別にして、素晴らしいオペラや歌舞伎、映画などに触れたあとは決まって、その作品のことで頭がいっぱいになってしまうので、まあ、仕方がない。
 
 昨日注文した「窓ガラスに挟んで両面からガラスを拭くクリーナー」が届いたが、窓拭きをするのが面倒になって、後日。
 
 で。
 突然、「思いっきりウィンナーソーセージとご飯が食いたい」と思い立ち、ご飯を炊き、シャウエッセンを買いに行って、時間を掛けてゆっくりと焼き、キャベツの千切りを山ほど作って、中濃ソースを振りかけて食う。
 美味いっ!
 
 午後もぼんやり。
 こういう時は、展開に問題が潜んでいることが多いので、仕事のファイルを読み返して、何が引っかかっているのか炙り出そうとしたが、特に見つからず。
 
 くーたんと一緒にソファに座って、定期購読している「ねこの気持ち」最新号を読む。この雑誌は、ネコの可愛い写真が満載なので、毎号、「可愛い狂う」感じ。
 くーたんも3歳を過ぎて落ち着きを備えてきた。おれを見る目差しが、オトナになってきた。しかし、突然、子猫のような顔になるのがまた可愛いのだ。
 外出用のメガネに掛け替えると通せんぼするし、足元にまとわりついて外に行かせないようにするし。
 もう、そうなるとトロトロ。しみじみと、くーたんと出会って、一緒に暮らせる幸せを感じる。多少ケーブルを囓られても、まあ仕方がないなあ。
 
 いつの間にか寝てしまった。くーたんがおれの足にアゴを載せて安心しきって寝ている姿を見ると、起き上がれない。
 
 18時までに食事を済ませると、体重が増えない事を実感したので、18時前に夕食。今夜はレトルトカレー。野菜たっぷりというから買ったのに、イモもニンジンもあんまり入ってないぞ、SBさん。
 
 食後、テレビをボンヤリ見るが地上波はツマらないのでBSに変えると、偶然にも、DLIFEチャンネルで「ピクサー・ストーリー」というピクサーの誕生から今日までを辿る番組をやっていた。成功の立役者が次々に登場するが、その中には元気な頃のジョブズもいて、ピクサーの自由な環境を守るためにはディズニーと対等でいられる立場を作らなければならないと言うことで株を公開して一気に大企業にし、また、ラセターたちもピクサーを守るために「次回作をヒットさせなければ」「そのためには、自分たちが面白いと思えるものを作らなければ」という一心で、プレッシャーと闘いながら新作に挑戦していく……。

Main

 ラセターたちクリエイターの才能はもの凄いと思うが、企業家としてのジョブズの読みの的確さと手法の正確さには驚嘆する。アップルを追い出されNeXtも上手く行かず、ジョブズ自身は焦っていたはずなのに。
 思えばピクサーの成功から、ジョブズの「大逆転」が始まるのだ。
 
 とても感動。もちろん、きれい事ばかりじゃなくて、ジョブズがピクサーを買ったのはハードウェア・メーカーとしてだったのに、その思惑が外れて、「手っ取り早くカネになってデモンストレーションにもなる」ので長編アニメーションを作ろうということになったのだし。
 まあしかし、強運の持ち主というのはこの世に間違いなく存在したのだなあ。
 
 21時からはNHK「負けて、勝つ」の最終回。
 吉田茂の快進撃は見ていて気持ちがいいが、ダークサイドをあまり描いていないのには不満が残った。特に、講和を果たしたあと引退せずに政権にしがみついた部分とか。
 しかしこのドラマでは、鳩山一郎は完全な悪役。まあ、戦前の議会制度が崩壊して軍部の政治介入を促進させた失策を幾つも犯して、それが故に公職追放になっていた人物だし。
 芦田均については、運がなかった人物だなあと思う。インテリのリベラルって、策略を巡らせるのが下手なんだなあ。
 今までの吉田茂ものではオミットされてきた白洲次郎を今回はきちっと描いて、「吉田茂の策謀の片腕」として動かしていたのは面白かった。政治とか交渉事には、こういう黒子的人物は必要だし、その人物が優秀だったかどうかで結果が大きく変わってくる。
 日本の戦後をどう構築するか。朝鮮戦争後の日本の独立は、吉田茂が組み立てた仕組みでなければ不可能だった、と思う。それが今も続いているわけだが、違うパターンを採った場合、どういう道があったのだろう?憲法を改正してきっちり国軍を持つべきだったか?その場合、アメリカ軍の駐留はなかったのか?「日本はアジアのスイスになる」というパターンだったらどうだったか?それはあり得たのか?
 
 22時を過ぎて、TBS「ニュースキャスター」を見ているうちに、寝てしまった。なんだか今日は凄く眠い。
 
 1時ごろにノロノロと起きて、ベッドに行ってきちんとお休みなさい。
 
本日の体重:88.90キロ
本日の摂取カロリー:1718kcal
本日の消費カロリー:日常生活程度

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