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2014年3月12日 (水曜日)

羽田で飛行機見て雑色で温泉に入って初台で「死の都」鑑賞

 8時前起床。

 以前のように6時に目が覚める生活サイクルに戻したい。けど、寝るのが遅くなってるからなあ……。

 薄曇り。

 ゴミ出ししたり、朝のモロモロをやって、相方を誘って羽田へ。今日は温かいので、屋上デッキで心ゆくまで飛行機を眺めていたい。

 第2ターミナル5階のハワイアン・レストランでブランチ。ガーリック・シュリンプのプレートにバジル・チキンを相方とシェア。どれも美味い。

 食後、相方は階下に買い物に出かけ、おれはそのまま屋上デッキに出て、「大空港のテーマ」を聞きながら飛行機の離発着を眺める。

 改めて思うのだが、飛行機は眺めていてまったく飽きない。もしかすると、おれはテッチャンじゃなくてヒコチャンなのかもしれない。鉄道にはあまり緊張感はないけど、飛行機には「重力に逆らう」故の緊張感があるもんねえ。

 どの飛行機にも個性があって楽しい。

 眺めていると、相方から買い物が終わったと電話。屋上に上がってこない?と返事して、2人でしばし飛行機を眺める。

 で、その後、平和島温泉に行こうか蒲田駅周辺の温泉に行こうかと迷ったが、結局、京急雑色駅から歩いて3分という「ヌーランド相模の湯」に行く。平和島温泉は前に行ったことがあるので、新規開拓で。

 しかし、駅から10分かかったぞ。

 お湯は真っ黒な、東京湾沿いによくあるタイプ。しかしここのはトビキリ黒いな。

 とても狭いが、露天風呂もある。

 浸かっていると、「4月になると初めて後輩が出来る、まだ新入社員」が先輩に「働く目的というか働きがいを感じるために家庭を持ちたい」という話をしていて、ナルホドそういうものか、と思う。おれはずっとフリーの個人営業稼業をしているので、組織に属するひとの気持ちがよく判らないところがある。

 相方とは1時間後の約束をしたが、どう頑張っても30分が限度。

 風呂から上がって、待ち合わせ場所のロビーで、iPadを出して、いろいろ。

 アマゾンで、新刊「闇猫・冴子」の著者名表示が間違っている。というか、旧字体の「安達瑤」になっていて、昨日、新字体の「安達瑶」に直して欲しいとアマゾンの「カタログ情報」訂正フォームから申し入れをしたのだが、以下のような返答が来て、訂正を拒否されてしまった。

『ご指摘いただいた内容は、下記の理由で、更新を見送らせていただきました。

- 検証の結果、現在値の情報及びデータフォーマットに修正の必要がないと確認されたため。

著者表示

現在の表記: 安達 瑤 (著)   

いただいた修正内容: 安達瑶 (著) 』

 

 旧字体と新字体だから同じじゃん!と言いたいのだろうか。しかし、字が違うと検索に引っかからない。いやいや、そもそも著者の名前を間違えるというのは失敬ではないのか?

 そう抗議してやろうと思ったが、この「カタログ情報訂正」のフォームには意見などを書き込む欄がない。

 アマゾンの中をくまなく捜して、カスタマー・サービスの中に「その他のご意見」を書き送れるところを見つけたので、上記のようなことを書いて、失礼千万な拒絶メールを受け取ったが、至急訂正をお願いする、と書き送る。

 同じ事を徳間Y氏にも訴えて、出版社経由でも訂正のお願いをする。

 やがて相方も風呂から出てきたが、夕食にはまだ早いので、休憩室に入って、リクライニング・シートで小一時間、休息。

 部屋にはテレビがついていて、ちょうど夕方のニュースが始まった。

 しかしあのSTAP細胞の件は、どうしてこういう事になったんだろう?虚名を得るためにでっち上げたのではないだろう。共同研究者も多いのだし。いろんなミスが重なったのであって、きちんと検証したら、研究そのものには問題はなかったと判明して欲しいなあ、と心から思っている。

 それにしても、マレーシア航空機はまったく何も見つからない、というのは不思議だなあ。過去にも太平洋上で消息を絶った大型機が今に至ってもまったく何の痕跡も見つかっていないケースがあるらしい。不思議だ。

 この件に関して、日本も自衛隊機を捜索に参加させる決定をしたが、中国のネットではそれに反撥する意見が多いらしい。ま、こういうのは放っておくべし。ムカつくが、日本のネットだってひどい書き込みは多いんだし。

 16時30分になったので、お食事処に行く。

 おれは豚キムチ定食を食べ、餃子をシェアする。

 で。この後、初台の新国立劇場に行って、コルンゴルトのオペラ「死の都」初日を鑑賞する。

 このオペラというか、コルンゴルトには思い入れがある。

 遅く生まれてしまったオペラ作曲家の悲劇。

 そう言ってしまうと、コルンゴルトがハリウッドで起こした「映画音楽革命」の成果を無視することになってしまうか。

 20世紀以降のクラシック音楽界は、調性音楽の排除の歴史だったと言ってもいい。「調性音楽を書いて許されるのは19世紀生まれのプッチーニやリヒャルト・シュトラウスだけだ」とコルンゴルトは嘆いたらしいが、コルンゴルトだって19世紀ギリギリの生まれなので、この言葉はおれの勘違いかもしれない。

 それプラス、ヒトラーの出現でアメリカに移らざるを得なかったコルンゴルトは、ハリウッドで映画音楽という新しい世界に出会って、オペラとまた違う音楽の可能性に触れた。

 しかし戦争が終わってウィーンに戻っても、既にそこには彼の居場所はなかった。映画音楽という堕落したモノに手を染めてしまったコルンゴルトはすでに「天才オペラ作曲家」から「一流の映画音楽作曲家」というレッテルを貼られてしまい、それは終生剥がすことが出来なかったのだ。

 という事を、日本でいち早くコルンゴルトを再評価した早崎隆志氏の名著「コルンゴルトとその時代」(みすず書房)で、知った。

 どうしてこの本を知ったかというと、30年くらい前にチャールズ・ゲルハルト指揮のコルンゴルトの映画音楽のオリジナルスコアを忠実に録音したLP(「The Sea Hawk」)を買って聞いていたらだ。

 聞いて驚きましたね。こんなに突き抜けた明るくて爽快で壮大な世界が広がるとは!

 その時は、「アルフレッド・ニューマン以外にも凄い作曲家はいたのね」程度の思いしか無かったが、だんだんとコルンゴルト(当時は英語風にコーンゴールドと呼ばれていた)に興味が湧いてきて、上記の研究書も買い、CDになった「シー・ホーク」も買い直し、プレヴィンが振った別のCDも買い、コルンゴルトのドキュメンタリーに演奏会のライブも収録されたDVDも買った。

 で、それ以来、コルンゴルト最高のオペラと言われている「死の都」が見たくて仕方がなかったのだ。

 日本では無理かなあと思っていたが、遂に、新国立劇場のラインナップに載り、今日を迎えたのだ!

 雑色から平和島、馬喰横山を経て、初台。

 今回は奮発して、A席。隣のブロックはS席で、大使館関係者が大挙して座っているが、この大使館って、コルンゴルトの故国オーストリア?それともこのオペラの舞台ブルージュのあるベルギー?

Photo_2

 このオペラは、大林宣彦の「廃市」(福永武彦の原作は読んでいないので)やヒチコックの「めまい」、そしてトリュフォの「緑色の部屋」に通じる世界を描いている。

 昔は貿易で大いに栄えたが港が使えなくなって完全に取り残されてしまった古都ブルージュ。そこに住むパウルは、亡き妻の思い出に浸るだけの日々を過ごしている。

 この設定だけで、おれは泣ける。ブルージュは知らないが、今のブルージュはノスタルジー溢れるとても美しい街だ。19世紀の終わり頃のこの町は、廃れた荒廃した街だったようだが。

 亡き妻との美しく懐かしい記憶の世界に生きている主人公、というのは、おれの琴線にびんびんと触れるのですなあ。

 仮に、今、相方を亡くしたら、おれはこの主人公みたいな心境に陥ってしまうだろう、という思うから……。

 が、そこに波乱が。亡き妻マリーに生き写しの女マリエッタが現れたのだ!

 この辺りで、物語としては「異常性」を見せ始める。主人公は、亡き妻そっくりの女マリエッタを、亡き妻マリーのように扱おうとするのだ。

 マリエッタに、自分が如何に亡き妻を愛しているか、亡き妻との思い出を大事にしているのかを切々と、しかしかなり強引に説く。

 ヒチコックの、というかボワロー/ナルスジャックの「めまい」(「死者の中から」)の主人公も、瓜二つの女に亡き女そっくりの扮装をさせて、その女から反撥されるのだが……。

 だが、この主人公の「亡き妻」への執着はかなり異常で危険な感じになっていく。まさに「サイコ」の主人公が、母親を溺愛するあまり、その死体を部屋に隠してミイラになった母親に語りかけているように……。

 亡き妻とは気性が違うマリエッタは激しく反撥し、そしてついに主人公は、彼女を殺してしまう。そうして言う。「これで同じになった」と。愛する女二人は、すでに死んだ事で同じになったと……。

 原作はここで終わるらしいが、オペラは、これはすべて夢だった、ということにしている。現実では瓜二つの女マリエッタは生きていて、主人公とはそこまでの関係にはなっていない。

 主人公は、このままではダメだとやっと気づいて、友人と友に亡き妻の思い出が詰まった屋敷とブルージュを離れる決意をする。

 オペラにスジはあってないようなモノだが、ドイツ系の、そして20世紀に書かれたオペラだけあって、演劇性は充分。

 このストーリーは途中まで覚えていたのだが、後半はおれの勝手で自分で脚色していた。おれの脳内では、マリエッタを別の人格と認めて、マリエッタを独立した女として愛して、新しい人生のドアを開ける……と。

 しかしまあ、そっくりな女も捨てて、まったく新しい人生をスタートさせなきゃ、「亡き妻の亡霊」からは逃れることは出来ないよなあ。

 相方は「嵐が丘」との類似を指摘したが、お恥ずかしいことに、おれは「嵐が丘」の詳細を忘れてしまった。「レベッカ」と混同したりして。

 音楽は、モロに後期ロマン派。濃厚な甘く切ない音楽が流れるが、そこはやっぱり20世紀の音楽で、はっとする現代の響きが混じる。

 しかし1回聞いただけではよく判らない。家にある音源を何度も聞こう。

 東響は、分厚い音を出して、凄くよかった。後期ロマン派の特徴である金管の威力もあって輝かしい音を奏で、定評ある弦楽はあくまで甘く切ない。

 酔いますな。

 ソリストも健闘していて、パウル役のトルステン・ケールは、なんだかオトナになりきれていない子供のような表情をふと見せるところが秀逸。もちろん声も素晴らしい。最後の最後で声が裏返ったが、アレはそういう指定なのかと思ったほど上手い。

 マリエッタ役のミーガン・ミラーも圧倒的声量でその場を支配する。

 このプロダクションはフィンランド歌劇場のレンタルらしいが、演出が斬新すぎる感じ。日本初演(この直前にびわ湖ホールでやっているが)なんだから、もう少しオーソドックスな方が、物語の理解がしやすいのではないかと思ったが、亡きマリーをずっと無言のまま登場させていたのは、後から考えると、優れた演出なのだろうなあと思った。主人公パウルが、彼独特の特異な世界に生きている事を際立たせられるから。つまり、客観表現になるから。

 しかし、別の演出でも見てみたい。

 幕間の休憩で、相方といろいろ話す。

 コルンゴルトが本当にオペラを書きたかったのなら映画音楽の傍ら書けただろうに、と。しかし、この後のオペラが失敗(しかし当人は作品に自信があった)したし、アメリカには新作オペラを委嘱する土壌がなかった(プッチーニには注文したけど)とか、いろいろあったと思うが、やっぱり、オペラそのものが転換期を迎えていたし、後期ロマン派の作風では成功出来ない風潮が強くあったというのが一番大きな理由だったのだろう。いや、「カトリーン」という新作があったのだが、ヒトラーの出現でウィーン初演が流れてしまった、という事実も大きかっただろう。

 時代に翻弄されてしまった天才コルンゴルトについて、おれは、とても興味がある。20世紀の「反調性音楽」な世の中で、調性音楽を書こうと努力した天才。

 コルンゴルトは、映画という新しい世界に、大きな可能性を見たのではないかと思う。劇場という固定された空間から自由になれて、劇音楽をつけられる。

 その悦びは「海賊ブラッド」や「シーホーク」といった映画音楽を聴けば、ウソ偽りなく感じる事が出来る。これらの音楽は光り輝き、喜びに満ちあふれているのだ!ウィーンの陰鬱な空ではなくカリフォルニアの抜けるような青い空(自分の目で見たことはないけど)との違いかもしれないが。

 おれが佐村河内というか新垣さんの「HIROSHIMA」を否定する気がないのは、音楽は調性音楽でアリ、今の世で敢然と調性音楽の大曲を世に出そうとした佐村河内の狙い(儲かるという算段もあったのだろうけど)は応援したかった。

 調性音楽の復権を!

 と声を大にして言いたいのだ。

 このオペラやコルンゴルト、そして、調性音楽については、もっといろいろ思いはあるが、今日はこの辺で。

 23時ごろ帰宅。

 くーたんにご飯を出し、しばらく遊ぶ。

 この時間は「遊びタイム」。もう少し時間が早いと、ソファに座っているおれの横に来て膝の上に載ったりするが、深夜の時間帯は、とにかく遊びたいのだね。

 メールを確認すると、アマゾンから以下のようなモノが。


『このたびは、当サイトの商品詳細ページの記載に誤りがあり、ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。

ご連絡いただいた商品『闇猫・冴子 (徳間文庫)』の詳細ページの著者名については、担当部署で確認のうえ、可能な場合、修正するよう手配を依頼いたしました。恐れ入りますが、修正完了までいましばらくお待ちください。

なお、ご参考までに、当サイトのカタログ情報に誤りがある場合には、商品詳細ページ上にある「カタログ更新フォーム」より詳細をご連絡いただくことが可能です。』


 って……。

 おれはその「カタログ更新フォーム」で指摘したのに拒絶されたんだろ!その旨も書き送ったのに!

 徳間Y氏からも、アマゾンに訂正依頼をしたとの連絡を頂戴した。

 ほとんど入れ違いで、アマゾンから、至急訂正します、とのメールも来ていた。

 ま、この件は一件落着。

 「コルンゴルトとその時代」を読み返し、新国で買ってきたプログラムを読みながら、猫じゃらしでくーたんを遊ばせ、2時就寝。

今朝の体重:90.70キロ

本日の摂取カロリー:1820kcal

本日の消費カロリー:281kcal/7376歩+47kcal(自転車)

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