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2014年5月 1日 (木曜日)

テルマエ・ロマエII

脚本: 橋本裕志/監督:武内英樹

楽天地シネマ3にて

 とにかく前作には熱狂した。古代ローマの温泉技師が現代日本と行き来して日本の温泉文化を古代ローマに伝えるという奇想というか誰も思い付かないというか、冗談で口にしても膨大な知識と温泉愛で超弩級のエンターテインメントにしてしまう事は誰もなしえなかっただろう。

 そんな偉業を成し遂げたヤマザキマリは奇才というか、ほとんど常人ではないと思うのだが、それをカネをかけて大真面目に映像化してしまったのだから!チネチッタに乗り込んで巨大セットを駆使して、「ベンハー」みたいな映像の中で大馬鹿な事を大真面目にやったというのに、腰が抜けるほど狂喜乱舞した。

 出て来る役者も、みんな大真面目であればあるほど面白くて、いやもうこれは、フジテレビが生んだ画期的傑作にして名作だった。

 しかし。

 その続篇となると、少なくとも前作並の奇想が必要でしょう。

 と言ってしまうと、ハードルは無茶苦茶高くなってしまう。前作のような奇想は、十年に一度、いや、五十年に一度あるかどうかという、空前絶後の、ほとんどキチガイと言ってもいいとんでもない発想だったのだ。

 それに並ぶアイディアは、そうそうあるモノではない。

 原作は全6巻だから、前作のストーリーを発展させればいいのだし、前作の世界観を踏襲して、ルシウスがまたしても大活躍!にすればいいのだとは思うのだが……。

 しかし、これって、「猿の惑星」がどんどんショボくなっていったのと同じだよね。あの映画も輝かしいワン・アイディアが命だったから、続篇にはその驚きはないのだから。

 原作にどこまで沿っているのは、判らない。原作は第1巻しか読んでいないので。予備知識では、この「2」では映画のオリジナル・ストーリーが展開されているらしい。

 で……。

 ルシウスが現代日本にやってくるのは、もう「お約束」と化している。これは仕方がない。そして次々と日本の温泉文化に触れて衝撃を受けるのも「お約束」。前作では紹介しきれなかった日本独自の温泉文化は山ほどあるのだから、驚くこともまだまだあるだろう。しかし、ルシウスがケロリンの桶に驚き、風呂上がりの牛乳に驚き、ウォシュレットに驚き、ハイテクの風呂に驚いた、あのインパクトはない。

 むしろ、ルシウスの快進撃には裏があると睨んだライバルを登場させて、その敵役も日本にやって来て……というような話にした方が新味が出るしルシウスの「カセ」にもなるし、良かったのではないのか?

 まあ、優秀なスタッフが頭を捻って作り出したのだから、こんな思いつきはスタッフも一度は考えただろう。で、却下したのだろう。

 しかし、そのライバルの温泉技師が好戦的元老院と結託して、「平和を愛する温泉」ではなく、「血が煮えたぎるアドレナリン爆発温泉」を開発する、という展開もあったんじゃないか?いや、それを発展させると「風呂のようで風呂ではないソープランド」という線に行き着いてしまって、ファミリー・ピクチャーにはならないか。

 今作への不満は、前作のような驚きがないこと。これがすべて。

 しかしこれは難しいんだよねえ。

 前作を見た2年前、おれは「2」を切望したが、ファンとしては「もっと見たい!」と思ったのは確か。しかし、二年の歳月が過ぎて、待ち構えて、満を持して見ると……。

 上戸彩との絡みが不自然。もうちょっと工夫できなかったのだろうか?前作では巧く処理出来ていたのに、上戸彩のいるところに決まってルシウスが出現するのがご都合主義に感じてしまう。「お互いに引かれ合っているからなのだ」とか屁理屈を付けちゃえば良かったんじゃないかと思うんだが。

 今回出てきたのは、草津温泉、法師温泉、宝川温泉に箱根小涌園ユネッサンスに大江戸温泉物語。編集で、あたかも1つの温泉のように見せているけど、まあこのへんは日本人なら判る事。前作でも伊香保から伊豆の大滝温泉にひとっ飛びしていたんだし。

 温泉は人の心を和ませて、世の中を平和にするのだ!というテーマはとてもいい。トゲトゲしてきた今の世界に、とても有効なテーマだと思う。アベもオバマもパク・クネも習近平もプーチンも世界のテロリストも、みんな温泉に浸かってのんびりやろうぜ!と思う。

 しかしやっぱり、続篇というのは難しい。おれみたいに思わずに、「シリーズ第2弾」として、お約束を楽しんで「お帰り!ルシウス!」と思う人も多いだろうし。おれが「2」に多くのことを期待しすぎてしまったのかもしれない。思えば、「アウトレイジ」も、「2」には物凄く低い評価をしているし。

 続篇って、難しいねえ。手を変え品を変えると言っても、匙加減が難しいし。

 考えてみると、続篇もうまくいったのは、「フレンチ・コネクション」と「エイリアン」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」か?どれも続篇は同じキャラクターが出て来るが別作品のような感じがあった。続篇でも監督が格落ちせずに逆に格上とか新人を起用してルーティーン化を排除したのは慧眼だった。

 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はストーリーを継続させつつ、「2」では近未来、「3」では西部劇と趣向を上手く変えた、ゼメキスとゲイルの才能には驚嘆した。

 そういうことを期待してしまったのかもしれない。

 ふんだんに流れるイタリア・オペラの数々は素晴らしい。ストーリーと無関係だが、美しい。

 しかし……年々、映画館で映画を観る機会が減っている。去年はたった1本。2012年は5本。2011年は1本。2010年は8本。今年はもっと見なければ。映画は映画館で観るものなんだから。一度足が遠のくと、ほんと、映画館に行かなくなってしまう。こんなに映画が好きなんだから、もっと映画館に行かなきゃ!

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