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2014年8月 2日 (土曜日)

渡辺篤史さんの思い出と、もしも映画の仕事を今もしていたら

 6時過ぎ起床。ああ、すっかり6時間睡眠に慣れてしまったな。もう老人だ。

 快晴。

 今日も、どこかに行きたい気分だが……〆切をクリアしなければ。

 朝のモロモロを済ませると、バイク便が。

 光文社新作のゲラ到着。

 ざっと見ると、アカが殆ど入っておらず、誤字脱字の指摘のみという印象。校閲や考証者に問うた部分には「?」マークが付いているだけ。これ、校閲の手を経ているのか?今までこんな白いゲラを貰ったことはないぞ。いや、ほとんど手直しの必要が無いような「完全原稿」を作りたいと願ってきたのだけど……。

 ハナシが複雑で、専門知識も必要な難物なのに、こんなにノーチェックで大丈夫なのか?と凄く不安になって、土曜日だが担当T氏にメールを書いていたら、そのT氏から電話が入った。

 どうも今回の校閲者は初校では誤字脱字を直して再校でツジツマとか事実誤認などをチェックするタイプらしいと。

 え~。大きな直しは初校でするものじゃないの?初校に時間を掛けて、再校は最終チェック、と言うのが本来の姿じゃないの?

 大丈夫か?まあ、光文社で仕事をしている校閲者だから、大丈夫なんだろうけど……。

 凄く不安。ならばこっちがしっかりしてツジツマのチェックをしなければならない。事実関係の考証は、再度、専門家にお願いするよう、担当T氏に強くお願いをした。

 とても詳しいオタクが多い分野だから、恥ずかしい間違いはしたくないのだ。かなり勉強して書いたとは言え……。

 弘兼憲史が作画した助監督哀歌「夢工場」は、原作が元助監督のやまざき十三だから話には無理はないが、画は時々、とんでもない恥ずかしい間違いがあった。相当調べて書いてあるのだが、「なんだこれは!」とこっちが赤面するようなミスがあったもんなあ。そう言うテツは踏みたくないのだ。

 アサメシを食う。トースト2枚にゆで玉子、ハム。

 ゲラは先に相方が見る段取りなので、おれはJノベルの中編を続ける。

 昨日何故か進まなかったので、今日は頑張らなければ。

 しかし……国内も国外も、悲しいことが多すぎる。ウクライナの墜落現場では遺品の盗みが横行していて、携帯電話を勝手に使う、クレジットカードを使う、とやりたい放題。親ロ派の連中って、本当に野蛮人のクソ野郎ばっかりだ!亡くなった人の尊厳とか、まるで考えていない。第二次大戦の時もソ連兵は野蛮で無茶苦茶ひどいことをしまくったが、あんまり知られていないのは憤慨する。露助どもはまったく進歩してないんだな。

 神奈川のキャンプ場の事故も悲しいし、佐世保の事件も考えれば考えるほどに、被害者になんの落ち度もないどころか、犯人と仲よくしたばかりに殺されてバラバラにされてしまうなんて……不条理極まるし。

 憤慨することを列記し始めると物凄い数になってしまう。

 ああ、オノレの無力さよ。

 相方から、「ゲラを受け取れる」と連絡が来たので、自転車に乗って届けに行く。

 上記のような事情を話して、初校は早めに戻した方がいいと思うと伝える。

 しかし外はサウナ状態。

 部屋から外に出ると、猛烈な熱気。これは部屋を冷やしすぎてるのか?と思ったが、イヤ違う。外が暑すぎるのだ。

 帰宅すると汗がドボドボ。

 仕事再開。

 連作のアタマの部分なので、うまく状況設定をして説明してしまわなければならない。その演出に苦心。ここを抜ければ、どどどと進むはず。今は我慢だ。

 昨日買ったキュウリの古漬けを、スライサーで薄くスライスして、生姜を細かく切り刻み、混ぜ合わせる。これぞ、夏の味。

 永谷園のお茶づけ海苔と一緒に食べる。う~夏だなあ!

 仕事再開。

 粛々と進める。

 しかし、ゼンショーの社長の言うことを読み返すと、矛盾に満ちていて腹が立つ。あれほど批判されたワンマンオペレーションを解消すると言いつつ、未練たらたら。要するに儲けが減るのが嫌なんだろ。まさに蟹工船。女工哀史の現代版。労働者搾取の典型。こういう時、人権団体や労働団体が声を上げないのが不思議。だから労組は無用の長物みたいに言われるのに。

 夕方、買い物がてら外出。

 松屋でプレミアム牛丼を食べてみるが……値段相応に美味いとも思えなかったなあ。もともとの牛丼の味で満足してたからなあ。

 スーパーの「トポス」でいろいろ買い物。ダノンビオの夏みかん味、やっと買えた。他にスイカの切り身(というのもヘンか)やソーメン、めんつゆ、シャンプーにリンス(最近はコンディショナーと言うのね)、入浴剤など。

 帰宅したら、またも汗がドボドボ。

 四国は大雨が降り続いているらしい。ウチの田舎は大丈夫か?

 テレ東の「川の源流探索」番組を見ると、渡辺篤史がナレーターだった。

 渡辺さんは以前、「なんとかでぃー」と語尾にクセを付けて延ばすのを「渡辺節」と自称していたが、「ビルマの竪琴」の時、市川さんに厳しく直された。おれはその場にいたが、テイク100を越えて「もう1回」「もう1回」が延々と続き、渡辺さんは最初、自分の節回しを大事にしたいと意見を言っていたが、監督のOKが出るわけもなく、最後にはマイクの前で泣き出した。

 市川さんは、黒澤さんとはまったく違って(黒澤さんの現場は知らないけど)、殆ど怒らない。激怒するのは「会社」「プロデューサー」に対してであって、スタッフやキャストには殆ど怒らない。エキストラが20人を超えると怒り出すけど、殆どの場合、現場は和気藹々として穏やかだった。

 渡辺さんだって撮影現場では衝突なんかなかった(1回だけ、本番に突如、監督の指示を無視したアドリブをやって、「今のなんや?」と苦笑させたことがあったが)。

 だから、ナレーション録りでの、この追い詰め方は鬼気迫っていて、こんな厳しい市川さんを初めて見たので、おれは、本当に怖ろしくなったのだ。そして、監督というものはここまで粘れなければならないのだ、と思った。ナアナアでは自分がイメージするモノは具現化できないのだ。

 こうして、ひたすらダメと言い続ける「溝口健二方式」「小津安二郎方式」で、市川さんは「渡辺節」をなんとか封印させてしまったのだ。

「君はエエ声しとるんやから、妙な節つけんと素直にやったほうがええんや」

 と、最終的にOKが出てから、渡辺さんに優しく言って、渡辺さんも泣きながら頭を下げていた。

 その後、他の仕事では、あれほど執着していた「渡辺節」が復活してしまうかと思ったら、復活しなかった。市川さんが亡くなっても、復活しなかった。今でも復活していない。

 渡辺さんは市川さんに叩き込まれたナレーション矯正を受け入れて、守り続けているのだ。

 そんな渡辺さんの姿勢を、とても尊敬する。だって、あんなに「自分の節回し」に執着していたんだから。

 「ビルマ……」の後、別の仕事で渡辺さんに会ったとき、「いやあ、あの時はホント……」と苦笑いして、「でも、いい事を教わったと思ってますよ」と序列最下位の助監督だったおれに気さくに話してくれたなあ。

 「アド街ック天国」を見聞きしながら、仕事。

 桃を食べる。美味いなあ。

 日テレの「心ゆさぶれ!先輩ROCK YOU 」を偶然見る。音響効果マン・笠原広司氏がゲストで、いろんな音響効果の実例を見せる。というか、聞かせる。

 SFだと、現実にはない音を作り出さなきゃならないから、その分、やってて楽しいだろうなあ。

 

 風呂に入って、考えた。

 おれは、助監督としてはダメで使い物にならないと自覚していたので辞めて、脚本を書こうとして挫折して現在に至っているのだが、助監督ではなく、もっと専門的な仕事をしていたら、今でも映画に関っていたんじゃないか。

 製作部は、ダメ。助監督よりいっそう段取りの才能が求められるし、金勘定をしなければならないし、トラブルの際に走り回って「アメニモマケズ」のように喧嘩を仲裁したり、スタッフやキャストを宥めすかしたりという「人間力」が必要とされる。助監督よりハードだ。

 撮影部も助監督以上にシビアな仕事だから、たぶんダメだっただろう。致命的なミスをしでかして業界から放逐されてしまったかもしれない。貧乏映画の現場ではピント送りとかをやったこともあるんだけど。

 照明部は、重いし暑いし感電するから、嫌。照明部は映画の現場で一番肉体労働で、文句も多かったし。

 特殊効果部も同じく、肉体労働だからなあ。クレーンとか移動車とか重いし。雨を降らせたりするのは楽しいけど。

 美術は、無理。その才能は無いし専門教育も受けていないし。美術スタッフのセンスは凄く高いのだ。まあ、装飾部なら、消え物を作ったりして、やれるかもしれないが。

 編集は物凄く面白いし、映画の完成度を決定づける物凄く重要な仕事だが、几帳面で正確でなければならないので、おれには厳しいなあ。今はパソコン上で編集するが、以前はフィルムで編集していて、1コマでもカットしたものは分類して保存しておかなければならなかった。直しの時、「この後、あと3コマ足して!」と言われたら即応しなければならない。市川組の厳しい編集を見てきたので、おれにはあの几帳面さと正確さは無理だと思った……。

 消去法ではないが、録音部に惹かれるものがあるなあ。現場スタッフの中で一番メカを相手にするし、録音スタジオで巨大なミキシング・コンソールを支配して「じゃじゃーん!」と音を出すのはカッコイイし。

 効果マンは、ほとんど職人だから、それも惹かれる。おれも効果アフレコに駆り出されて、その他大勢の足音とか「衣擦れ」とか、いろいろやったしねえ。

 録音部なら、職人的に凝りまくれるし、無理な注文を「仕方ねえなあ」とブーブー言いながら見事にこなしてみせるというカッコいいことも出来たかもしれないなあ。

 などと夢想。今でも、録音の真似事はしているし、子供の頃から録音には興味があったんだよなあ。

 でも……音だけの仕事じゃあ、やっぱり満足できなかっただろうなあ。録音部の仕事の傍らシナリオを書いたりして「書ける録音マン」になっていたかもなあ。

 まあ、夢想するのは勝手ですから。

 でもまあ、今の姿が「なるべくしてなった」のだと思う。

 現場は楽しいけど、自宅で静かに文章を書いている方が、いい。その方が幸せだ。

 

 スイカを食って、幸せを実感。

 ニュースが気になるが、土曜の夜って、ダメね。特に今夜は「情報7デイズ」がお休みだし。

 ネットのニュースによると、佐世保の事件で、児童相談所に通報した精神科医は、親に入院させるかひとり暮らしを止めるように話をしていたらしい。しかしそのどちらも実現出来なかったと。この医師は通報するだけだったのかと思ったが、責任を持ってなんとかしようとしていたのだ。悪く思って申し訳ありませんでした。

 親も……バットで大怪我させられた後だから、同居には躊躇したんだろうな。かと言って精神病院に入院させるのも、という思いで、先延ばしにしていたのだろうか。

 その結果が、あまりにひどいことになってしまった。

 なんだかんだで1時40分まで起きていて仕事もしたが、これ以上は無理なので、ベッドへ。

 

今朝の体重:91.40キロ

本日の摂取カロリー:1945kcal

本日の消費カロリー:日常生活+51kcal/1229歩+108kcal(自転車) 

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